バーチャルマーケット3に出展しました

先日2019/9/21(土)より開催していた、VR上の展示会「バーチャルマーケット3」(以下、Vケット3)に出展していました。


【3Dモデルのデータ販売場所】
https://scramasax.booth.pm/


【Vケット3カタログのサークルのページ】
ここには委託展示(という名目の、事実上の合同出展)していた84さんの作品も一緒に置いてあります。
https://www.v-market.work/user/68


ありがたいことに目標以上の売上も出まして、十分成功と言える結果になりました。ありがとうございました。
今回ブース内のメインで展示したAuroは僕が作ったVRChat用アバターです。

ビスマス結晶の精霊Auro(アウロ)

Auroは3Dモデリングを始めてから作った主要なアバターとしては四作目となります。

ちなみに、
一作目は黒猫少年のThoarlnya(ソルニャ)
二作目はアルケミック・ナースのTalis(タリス)
三作目は銃士隊員Miriam(ミリアム)

申し込みした時点では銃士隊員Miriamを展示しようかと思っていて、実際それが4作の中で最も時間をかけて作ったモデルでした。
しかし鉱物を擬人化したキャラクターAuroのほうが、その性質的にキャッチーで話題にしやすかったのでお祭り向きだろうと考え直して、こちらを展示・販売することになりました。
Auroのように、見た目そのものにバックグラウンドがあるキャラクターは興味を持ってもらいやすいんですよね。
これは頭がみたまんまビスマス結晶なので元の鉱物を知っている人にはひと目でわかってもらえる。さらに知らない人の場合も、その奇妙な造形で目を引くことができ鉱物が元ネタだとわかれば実物を見てみたいと関心も湧く。
口下手な僕でも、このアバターを着ていれば初対面の人との話題作りに事欠かない程度には「話題力」があるキャラクターです。

オリジナルキャラクターといえど、何かの文脈に乗っかったキャラクターのほうが認識されやすいのです。
何かの擬人化、歴史上の有名人の少女化、インターネットミームに則した創作。一目見てそのアイデンティティがわかるキャラクターはやはり「強い」。
しかし強すぎて埋もれるというパターンもあります。
たとえば創作界最強存在であるところの「アリス」。水色・白・金髪碧眼で構成されたファンタジー要素の高いキャラクターがあれば、それはアリスと言い張ることができます。
認識力、話題力が高い上に、構成要素が単純なので創作の自由度も高い。
(アリスは僕も好きなモチーフで、数ある中で造形的な意味で特に好きなのは橘ありすちゃん! 物述有栖ちゃん! 角川つばさ文庫「新訳ふしぎの国のアリス」のアリスちゃん!ねんどろいどドールのアリスちゃん!)
しかしそれだけに造り手に実力がないと埋もれてしまうモチーフとも言えるでしょう。

僕はアリスが好きだ。しかし創作界の波に飲まれてしまうことを恐れた僕のような小心者は、もっと人の手つかずの、マイナーなモチーフを選択することになります。
そして思い出したのがビスマス結晶! Auroはもう7年前に作ったキャラクターなので、その後ビスマス結晶モチーフのキャラクターが爆増しててもおかしくないだろ、と思って検索したら、未だに似た方向性のキャラが誰にも作られてませんでした。

ビスマスの虹色の色彩をモチーフにしたキャラクターは散見されても、あの骸晶構造を再現したような造形のキャラクターがない。ビスマス結晶自体は最近知名度高いし、見た目の美しさは保証されているのになんでキャラクター化されないの!?
まあ冷静に考えればわかることで、2Dで表現するには作画工程が地獄すぎる。3Dでゲームに使うにはポリゴン数を消費しすぎる。フィギュア化するには造形が複雑すぎる。商業的な世界ではちょっと使いづらいモチーフなんですね。
そこで僕の出番だと思いました。誰がやるのを待つでもなく、僕が自分でやる意味を見出しました。自分が作らなければ誰もやらない、そんな創作テーマを見つけたらもう飛び込むしかありません。

実際のビスマス結晶

ビスマス結晶は誰が見ても美しい。しかし実際にビスマス結晶を手に入れ、さらにその結晶を眺めているだけで一日を終えた、そんな経験を持つ人間は少ない。
そんな数少ない人間のうち、3Dモデルを作ることができる人間はごく僅か。
では僕がやるしかない! 創作行為をしていても、こんなに「確信を持って創作できる」ということは滅多にないことで、運良くそれを見つけたからには絶対にやるべきです。
おそらくマイナーカップリングで二次創作している腐女子の方も同じような心境でやっていると思います。

僕もこういうテーマがわかりやすいキャラクターをいくつも持っていればいいんですけどね。
僕の他の持ちキャラは、好きな民族衣装とか軍服とか舞台衣装のようなものを噛み砕いて自分なりに消化したというような表現のしづらいものが多いので、一体人に何と紹介すればいいのか困る。
そう、特定のモチーフを使った時に、それを「消化」することで「自分の作品」として堂々宣言することができるのだ、という認識が、僕の創作物のわかりにくさになっています。
Auroの場合はモチーフを全く消化してません。基本的に頭にビスマス結晶そのものをくっつけただけですからね。僕がやったのはその結晶のレイアウトの工夫だけです。「ビスマス結晶の美しさを消化して抽象化概念化したものを捏ね上げてキャラクターにする」みたいなことをしていない分、わかりやすいのです。

そう、人に理解してもらおうとするなら、あまり「消化」して「排泄」してはいけない。
飲み込んだものをちょっと「咀嚼」してそのまま吐き出すくらいの創作のほうがわかりやすく見た人に優しい。

僕の普段の創作態度は「排泄」寄りですから、あまり他人に受け入れられ、理解してもらえたり、喜んでもらえるとは思えないですね。
本当は話題性とか抜きにして、単純に排泄物の造形の美しさで楽しんでもらえたら良いと思うし僕もそれを望んで作っていますが、世の中には自分よりはるかに美しいものを発表する人が多すぎて、そういった正攻法で人目を引くのはなかなか難しいでしょう。

僕は実在している景色や建築・衣装などの人工物を見て美しいと思ったりその仕組みに関心したとき、その感情が自分の中でなぜ起こったのかという謎を知りたくて、それを再生産することで謎に近づこうという目的で創作をしている面があります。
それは自分の脳みその中身を知りたいという欲求からなる創作であり、他人を楽しまようと思ってやる創作ではありません。
もしそういったものを今後、Vケットのような、展示会のような、お祭りのような場で見せるとなるとすると、一体なぜその必要があるのかもよくわからない。

ですので今後もVケットに出展することもあると思いますが、どういったテンション感で望めばいいのかちょっと決めかねていました。
やっぱりああいった場では人に楽しんでもらってこそ嬉しいものです。しかしその嬉しさは自分の創作の喜びとは必ずしも一致するものではありません。

そんなことを考えていたのですが、今回のVケット3では、Auroと一緒にPileInjector(パイル・インジェクター)というアイテムも出していました。

使っている様子

出展する前、このアイテムは賑やかしで置いているという程度に考えていたのですが、これが結構好評のようでした。
展示会場のSky Island-Forestは平和的なファンタジーな森の世界ですが、Publicインスタンスでは定期的にPileInjectorが作動する爆音が鳴り響いていて、会場の和やかな世界観を破壊していました。
仕組みとしてはシェイプキーの動作と同時に効果音を出す、それだけのことです。
創作の美学もテーマ性も何もないチープなおもちゃです。
でもこれこそがVRChatというコミュニケーションゲームにとって、Vケットというお祭りにとって必要なものではないのか? と今では思います。

アートはアートとして追求するとして、人を楽しませることもやっていきたい。
例えば僕は子供の頃、ノートを一冊全部使った長大な迷路を作ったり、一枚の紙を小さい絵描き歌のドラえもんで埋め尽くしたり、オリジナルのボードゲーム作ったり、友達をキャラクター化したり、へのへのもへじの亜種を何十種類も作ったり、そんなことばかりしてました。
もしくはネットを始めたばかりの頃、僕はワイルドアームズというゲームのお絵かき掲示板に入り浸っていたのですが、その頃はネタ画像みたいなものばっかり作ってましたね。
それらは当時作画の技術がなかったが故に、逆に絵の力に頼らずに自分の作ったもので人を楽しませようと思う心がそうさせたのかもしれません。
今は3Dモデリングの実力が足りていないことを実感していますから、当時と似たような状況で、また似たような心境になっているのは必然かもしれません。

こういう作品を次も出せるなら、Vケットに出店する意義がありそうです。
とりあえず今は次のアバターを作りたいですね! 作りたいアバターが沢山あるんです。
もし僕が今後半年で作るものにVケット向きのものがあるなら出展するし、なければ出展しないでしょう。
そのくらいの心づもりでやっていきたいと思います。

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カテゴリー: 持論を展開, 活動記録
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書いてる人:州倉正和