僕がVR世界に入るまで

3日前(18/09/30)に初めてHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着して、VRChatにログインしましたよという話です。

この体験は人生に影響与えるレベルのものだと思ったので、後々振り返るために、それに至った経緯をまとめて記録しておきたい。これがこの記事の趣旨です。

VRChatというのは、簡単に言うとVRゲーム。
ネットワークに繋がったゲームの3D仮想世界に入ったプレイヤーが、アバターを介して他のプレイヤーとコミュニケーションするゲームです。
仮想空間への入り方は、HMDを装着してもいいですし、デスクトップモードといって従来のモニターに表示する方法もあります。マイクを使えばボイスチャットができるけど、声は発さずに身振り手振りや、筆談で楽しんでる方もいます。
仮想世界というのも1つではなく、Worldといって、神社や公園、町並みや自然を模した世界がいくつもある。ほぼすべてユーザーの手により公開されたものです。
アバターは、デフォルトで用意されたものもありますが、ほとんどはユーザーの手により提供されているものです。またこういったデータの中にはかなりの頻度で、3Dモデルの著作権を無視して作られた違法データも含まれていて、今はまだカオス状態です(この状態についての自分の見解はノーコメント)。

今のタイミングで始めたような人はほとんど、この世界を知ったきっかけがバーチャルYouTuberの動画経由なんじゃないかと思う。自分もそのクチで、昨年末に一世を風靡したねこます氏が紹介していたのを見て初めて知った。
ただそれがVRChatを始めたきっかけか?というとそうではない。僕は、「VRChatを知る前から、VRChatに興味があった」のである…

というのも、あれは確か2017年の夏コミの打ち上げで、僕がいつも表紙絵を描かせてもらっている評論系同人サークルSIRTのメンバーとの話。はん氏が「根暗キモオタクであるところの俺らは昔、深夜アニメを見て、ダイヤルアップ接続でネットにつないで育った。でもアニメもネットもウェイの巣窟になった今、次世代の若人根暗キモオタクは何のコンテンツで育つのか?」という問いかけである。

この話をするにあたってまず、読者の方との共通認識を得ておきたいので説明しますと。
根暗キモオタクは陽の光を浴びると溶けてしまうので、基本的に岩陰の裏とかに隠れている。この岩というのは「キモいコンテンツ」です。今でこそ状況は変わってきたが、かつての美少女アニメのようなキモいコンテンツには健全な人間は寄り付かない。インターネットもやってるのがオタクしかいないからノリがキモい。
つまり、キモい空間にはウェイが寄り付かない。ウェイが寄り付かない空間には、根暗キモオタクが集まる。それは明らかだろう、という話の流れに。

そこで僕は2つの予想を立てた。
第1予想「ゲームとか創作系アプリ内の、表層Webとは切り離された空間でコミュニケーションしているのではないか。」
第2予想「HMDを装着して、同性のオタク同士でイチャイチャするなりきりチャットが将来出てきたら、絶対キモい空間になる」
というものである。

この第2予想について… 当時全く知らなかったが、その話をしていた時すでにVRChatが運営開始されており、文化が開花しつつあったようだ。
僕は自分が想像していたものが既に実在していると知って驚き、テンションが一気に上ってしまった。
ただ、僕が想像していたものとは少し違って、若人オタク(中学生を想定している)が寄り付くような場所ではない。かつてのなりきりチャットは、文章によるコミュニケーションだったので、自分のHNを「クラウド」にすれば俺はクラウドだし、「リオン」にすれば僕はリオンなのであるが。
VRChatは3Dモデルのアバターが必要で、そのモデルを作ったり、あるいはリッピング等の違法手段にしろ、仮想空間に持っていく技術は中学生には少し厳しい。よってVRChatは、自分の予想よりユーザーの年齢層が高くなったのだが…

とにもかくにも、僕が欲しかったものがすでに存在していた! その喜びが、僕が後にVRChatを始めることを確定していた。

ただ、その時はすぐに手が出ませんでした。
なぜなら3Dモデルを作るスキルがなかったのと、モデリングを作るためには30万円する3Dソフトを買わなければいけない…という謎の誤解。HMDは高価いという認識。3Dゲームをするスペックに満たないPCを半年前に買ってしまったということ。
でもそれらは、バーチャルYouTuberブームの影響で3D未経験の絵描きが、Blenderというフリーのソフトをつかってモデリング始める事例が増えてきたこと。モデリングを始めたことでHMDへの投資が「腐らない」と思えたこと。スペックが満たないなら、今まで敬遠してきたPCパーツの知識を得て、パーツを換装すればいいじゃないかという発想。
それらにより心因的な壁が解決されました。これが3ヶ月前、5月中頃。

モデリングはやる気が限界突破していたので、毎日仕事終わった後に睡眠時間削って根詰めてやってたら、初めて三週間くらいでポリゴン数1850のヒト形モデルをVRChatにインポートするとこまで持っていけた。


(World「Avatar Testing‼」の鏡の前ではしゃぐ私こと“夜盗”、tHoaLNyA君 18/06/12)

HMDを導入するのは当分先で、まずはモデリングを頑張ろう…と考えていたが、3D始めたことでバーチャルYouTuberの動画を見まくるようになり、VR世界への渇望が強くなってしまった。
なのでついにHMDを購入する決意をしました。

それにあたって、まず今のPCがHMDを接続するために必要なグラボのスペックを満たしていないようだったので、PCパーツについて無知だったが、GTX1050から1070に換装することにした。去年、自作PCに詳しい方にアドバイス受けながらBTOメーカーでPC買ったのだが、その時よりもグラボの値段が、仮想通貨マイニングブームにより高騰していて数万円上がっていた。けど値下がりを待っていても仕方がない、時間が惜しいので購入しました。
グラボ換装作業は自力で調べながらやっていたが、最後の最後でどうしても詰まってしまって、Twitterで喚いてたら親切な方に助けていただいた。

価格コムで調べてグラボを買った店が、ちょうどHTC Viveをセットで買うと安くなるキャンペーン中だったので、HMD選びに迷う手間が省けた。
グラボ換装し終えたその日にHMDをつなぎ、ログイン。それが3日前のことです。

(次回に続く)

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書いてる人:州倉正和